外壁塗装でよく聞く「下塗り・中塗り・上塗り」とは?それぞれの役割を解説
2026年10月08日(木)
外壁塗装の見積書や工事内容を見ていると、
「下塗り」
「中塗り」
「上塗り」
という言葉が出てくることがあります。
一般的な外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で施工することが多くあります。
完成すると一番上の塗膜しか見えないため、
「同じような塗料を何回も塗る必要があるの?」
と思われるかもしれません。
しかし、それぞれの工程にはきちんと役割があります。
今回は、外壁塗装における下塗り・中塗り・上塗りの違いや、なぜ複数回に分けて塗装するのかについて解説します。
外壁塗装はなぜ何回も塗るの?
外壁塗装は、単純に外壁へ色を付けるためだけの工事ではありません。
塗装によって外壁材を雨や紫外線などから保護し、その状態を維持していくことも大切な目的です。
そのためには、塗料が外壁にしっかり密着し、必要な塗膜を形成する必要があります。
一般的な外壁塗装では、
下塗り → 中塗り → 上塗り
の順番で施工します。
それぞれの役割を見ていきましょう。
下塗りとは?
下塗りは、外壁塗装の最初に行う塗装工程です。
最終的には中塗り・上塗りで隠れてしまうため、完成後には見えなくなる部分ですが、外壁塗装の仕上がりや耐久性に関わる重要な工程です。
下塗りの役割① 外壁と上塗り塗料を密着させる
下塗りの大きな役割の一つが、外壁とその上に塗る塗料を密着させることです。
外壁にいきなり仕上げ用の塗料を塗っても、下地の状態によっては十分に密着しない場合があります。
下塗り材を間に入れることで、下地と上塗り塗料をつなぐ役割を果たします。
イメージとしては、接着剤のような役割に近いものです。
下塗りの役割② 塗料の吸い込みを抑える
経年劣化した外壁は、塗料を吸い込みやすくなっていることがあります。
吸い込みが激しい状態のまま仕上げ塗料を塗ると、塗料が均一に塗れず、色ムラや艶ムラなどにつながることがあります。
下塗りによって下地を整え、上塗り塗料が均一に仕上がりやすい状態をつくります。
下塗り材は外壁によって変わる
下塗り材には、
- シーラー
- プライマー
- フィラー
など、さまざまな種類があります。
どれを使用するかは、外壁材や既存塗膜、劣化状態、使用する上塗り塗料などによって異なります。
例えば、モルタル外壁とサイディング外壁、金属系の外壁では、適した下塗り材が同じとは限りません。
そのため、
「どんな高性能な上塗り塗料を使うか」だけでなく、「その外壁に適した下塗り材が選ばれているか」
も重要なポイントです。
中塗りとは?
下塗りが完了したあとに行うのが中塗りです。
一般的には、中塗りと上塗りに同じ仕上げ塗料を使用することが多くあります。
「同じ塗料なら、一度だけたっぷり塗ればいいのでは?」
と思われるかもしれませんが、塗料にはメーカーによって適切な塗布量や乾燥時間などが定められています。
一度に厚く塗ればよいというものではありません。
中塗りで必要な塗膜をつくる
中塗りには、仕上げ塗料による塗膜を形成していく役割があります。
適切な量の塗料を塗り重ねることで、塗料が持つ性能を発揮できる塗膜へ近づけていきます。
また、中塗りを行うことで下塗りの色を覆い、上塗りを均一に仕上げるための土台をつくります。
上塗りとは?
上塗りは、外壁塗装の仕上げとなる工程です。
中塗りの上からもう一度仕上げ塗料を塗り重ねます。
上塗りには、
- 色を均一に仕上げる
- 艶を整える
- 必要な塗膜を形成する
- 雨や紫外線などから外壁を保護する
といった役割があります。
私たちが外壁塗装の完成後に見ているのは、基本的にこの上塗り部分です。
見た目をきれいに仕上げることはもちろん、塗料本来の性能を発揮させるためにも重要な工程です。
「3回塗りなら絶対に安心」ではない
ここで注意したいのが、
「外壁塗装は必ず3回塗り」
と決まっているわけではないことです。
一般的には下塗り・中塗り・上塗りの3工程が多く採用されていますが、使用する塗料や外壁の状態、メーカーの施工仕様などによって必要な工程は異なります。
下地の状態によって下塗りを複数回行う場合もあれば、使用する塗料によって一般的な3工程とは異なる施工仕様が設定されている場合もあります。
そのため、
「3回塗ったから安心」「4回塗ったから3回塗りより高品質」
と、単純に回数だけで比較することはできません。
大切なのは、使用する塗料と外壁の状態に合った施工が行われているかどうかです。
塗る回数だけでなく「乾燥時間」も重要
外壁塗装では、塗料を何回塗るかだけでなく、次の工程へ進むまでの時間も重要です。
塗料には製品ごとに、次の塗装工程へ進むまでに必要な時間が定められています。
十分に乾燥・硬化していない状態で次の塗料を重ねると、塗膜の性能や仕上がりに影響する可能性があります。
反対に、塗料によっては次の工程までの時間に上限が設定されているものもあります。
気温や湿度などによって施工条件が定められている場合もあるため、メーカーの仕様を確認しながら施工することが大切です。
「塗料をたっぷり塗るほど長持ち」でもない
塗料は多く塗れば塗るほど耐久性が高くなるわけではありません。
塗料メーカーは、製品ごとに標準的な塗布量や施工方法を定めています。
必要以上に厚く塗ることで乾燥不良などの原因になることもあります。
反対に塗布量が不足していれば、必要な塗膜厚を確保できず、塗料本来の性能を十分に発揮できない可能性があります。
つまり重要なのは、
「何回塗ったか」だけではなく、「適切な量を適切な方法で塗ったか」
ということです。
下塗りの前には「下地処理」も必要
外壁塗装は、下塗りから始まるわけではありません。
塗装前には外壁の状態に応じて、
- 高圧洗浄
- ひび割れ補修
- シーリング工事
- ケレン
- サビ処理
- 浮きや欠損部分の補修
などを行います。
どれだけ高性能な塗料を使用しても、汚れや劣化した塗膜の上からそのまま塗装すれば、十分な密着性を確保できない場合があります。
そのため、外壁塗装では「塗る前にどのような処理をしたのか」も非常に重要です。
完成すると見えなくなってしまう部分だからこそ、見積もりや工事内容を確認するときには下地処理についても確認してみましょう。
見積書ではここをチェック
外壁塗装の見積書を確認するときは、塗料の商品名や金額だけを見るのではなく、塗装工程についても確認してみましょう。
例えば、
「外壁塗装 ○○塗料 一式」
としか書かれていない場合、下塗りが含まれているのか、どの下塗り材を使用するのか、何回塗装するのかが分かりません。
見積書では、
- 下塗り材の商品名
- 上塗り塗料の商品名
- 塗装工程
- 塗装回数
- 下地処理の内容
などが分かると、実際にどのような施工をするのか確認しやすくなります。
分からない部分があれば、
「この塗料は何回塗りますか?」
「下塗りには何を使いますか?」
と施工業者に確認してみるのもよいでしょう。
まとめ|3つの工程にはそれぞれ役割がある
外壁塗装でよく聞く「下塗り・中塗り・上塗り」には、それぞれ異なる役割があります。
下塗りは、外壁と仕上げ塗料を密着させ、下地を整える工程。
中塗りは、仕上げ塗料を塗り重ね、必要な塗膜を形成していく工程。
上塗りは、色や艶を整えながら塗膜を仕上げ、外壁を保護する工程です。
ただし、外壁塗装は単純に「3回塗れば大丈夫」というものではありません。
外壁材や既存塗膜の状態に適した下塗り材を選び、メーカーが定める塗布量・乾燥時間・施工方法などを守ることが重要です。
さらに、その前段階となる高圧洗浄やひび割れ補修などの下地処理も、塗装の仕上がりを左右します。
外壁塗装を検討するときは、塗料のグレードや価格だけではなく、
「何を塗るのか」「何回塗るのか」「どのような工程で施工するのか」
まで確認してみましょう。
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