モルタル外壁のヘアークラックは補修が必要?放置してよいひび割れとの違い

モルタル外壁でよく見られる劣化症状の一つが「ひび割れ」です。

なかでも、髪の毛のように細いひび割れは「ヘアークラック」と呼ばれます。

細いひび割れを見つけると、

「すぐに補修しないと雨漏りする?」

「この程度なら放置しても大丈夫?」

「塗装だけで直せる?」

と不安になる方も多いのではないでしょうか。

ヘアークラックは、すべてが緊急性の高いひび割れというわけではありません。しかし、ひび割れの幅や深さ、発生している場所、原因によって必要な対応は異なります。

この記事では、モルタル外壁にヘアークラックが発生する原因や補修の必要性、注意したいひび割れとの違いについて解説します。

モルタル外壁に発生する「ヘアークラック」とは?

ヘアークラックとは、その名前の通り髪の毛のように細いひび割れのことです。

一般的には、幅0.3mm未満程度の細いひび割れをヘアークラックと呼ぶことが多くあります。

モルタル外壁は、セメント・砂・水などを混ぜた材料を下地に塗り付けて形成されています。

サイディングのようにボード同士の継ぎ目が少ない一方、材料の乾燥収縮や建物の動きなどによってひび割れが発生することがあります。

特に表面の塗膜だけに細かなひび割れが発生している場合は、すぐに構造上の問題につながるとは限りません。

ただし、見た目だけではひび割れの深さまで判断しにくいため、状態を確認することが重要です。

ヘアークラックが発生する主な原因

モルタル外壁のひび割れには、いくつかの原因があります。

塗膜の経年劣化

外壁表面の塗膜は、長期間にわたって紫外線や雨風の影響を受けています。

経年によって塗膜の柔軟性が低下すると、外壁のわずかな動きに追従できなくなり、細かなひび割れが発生することがあります。

このような場合は、モルタルそのものではなく、表面の塗膜を中心にひび割れていることがあります。

モルタルの乾燥収縮

モルタルは施工後、水分が抜けて乾燥する過程で収縮します。

この収縮によって内部に力がかかり、細かなひび割れが発生することがあります。

温度変化による伸縮

外壁は、日中と夜間、夏と冬などの温度差によってわずかに膨張・収縮しています。

こうした動きが繰り返されることも、ひび割れが発生する原因の一つです。

建物の動き

地震や振動、建物自体の動きなどによって外壁に力が加わり、ひび割れが発生することもあります。

この場合は、単なる表面のヘアークラックではなく、比較的大きなひび割れとして現れることもあるため注意が必要です。

ヘアークラックはすぐに補修が必要?

細いヘアークラックが1本あるからといって、必ずしも緊急で大規模な補修が必要というわけではありません。

塗膜表面に発生しているごく細かなひび割れで、広がっていない場合などは、状態を確認しながら経過観察できるケースもあります。

ただし、

「0.3mm未満だから絶対に放置して大丈夫」

という意味ではありません。

ひび割れの幅は判断材料の一つにすぎず、

  • ひび割れの深さ
  • 発生している場所
  • 本数
  • 長さ
  • 以前より広がっていないか
  • 周囲に浮きや剥がれがないか

なども含めて判断する必要があります。

特に同じ場所のひび割れが徐々に太くなっている場合は、早めに点検した方がよいでしょう。

注意したいのは幅0.3mm以上のひび割れ

一般的に、幅0.3mm以上のひび割れは「構造クラック」などとして扱われることがあります。

ただし、幅が0.3mmを超えたから必ず建物の構造に問題があるという意味ではありません。

外壁のモルタル層までひび割れているものや、建物の動きによって発生しているものなど、原因はさまざまです。

ヘアークラックより幅が大きい場合は、雨水が入り込む可能性も高くなるため、原因や深さを確認したうえで適切な補修方法を検討します。

こんなひび割れは一度点検を

ひび割れの幅だけでなく、「どこに、どのように発生しているか」も重要です。

窓やドアの角から伸びている

窓やドアなどの開口部の角には力が集中しやすく、斜め方向にひび割れが発生することがあります。

細いひび割れであっても、長く伸びていたり徐々に広がっていたりする場合は状態を確認しておきましょう。

基礎付近から外壁へ伸びている

外壁だけでなく基礎部分にもひび割れが見られる場合は、単純な塗膜の劣化とは原因が異なる可能性があります。

ひび割れの位置や方向を含めて確認する必要があります。

同じ場所で何度もひび割れる

以前補修した部分が再び割れている場合は、表面だけを埋めても根本的な原因が解消されていない可能性があります。

ひび割れが繰り返される原因を確認したうえで補修方法を選ぶことが重要です。

幅が広がっている

最初は細いヘアークラックだったものが、時間とともに太くなることもあります。

「以前より明らかに広がっている」と感じる場合は、放置せず一度点検を受けた方がよいでしょう。

ヘアークラックを放置するとどうなる?

表面だけの小さなヘアークラックであれば、すぐに雨漏りなどの重大なトラブルにつながるとは限りません。

しかし、ひび割れが進行して幅や深さが大きくなれば、雨水が入り込む経路になる可能性があります。

モルタル外壁は表面の塗膜によって水の影響を受けにくくしています。

ひび割れから水分が入りやすい状態が続けば、周囲の塗膜の浮きや剥がれ、下地の劣化などにつながる場合があります。

そのため、

「細いから何年でも放置して大丈夫」

と考えるのではなく、定期的に状態を確認することが重要です。

モルタル外壁のひび割れはどう補修する?

補修方法は、ひび割れの幅や深さ、原因などによって異なります。

微細なヘアークラック

表面の細かなひび割れの場合は、下塗り材や微弾性フィラーなどを使用し、塗装工程の中で処理できるケースがあります。

ただし、すべてのヘアークラックを塗料だけで処理できるわけではありません。

ひび割れの状態によっては、別途補修を行ってから塗装します。

幅や深さのあるひび割れ

比較的大きなひび割れでは、シーリング材や樹脂モルタルなどを使用した補修が必要になることがあります。

状態によっては、ひび割れ部分を一定の幅・深さに加工して補修材を充填する方法が採用される場合もあります。

重要なのは、ひび割れをとりあえず埋めればよいわけではないということです。

原因や下地の状態に適した補修方法を選ばなければ、施工後に同じ場所から再びひび割れる可能性があります。

補修跡を目立たせないためには塗装との組み合わせも重要

モルタル外壁には、リシン・スタッコ・吹付タイルなど、さまざまな仕上げがあります。

ひび割れだけを部分的に補修すると、補修材の跡が周囲と異なって見えることがあります。

そのため外壁全体が塗り替え時期を迎えている場合は、ひび割れ補修と外壁塗装を同時に行うことで、補修部分を保護しながら外観を整えやすくなります。

ただし、補修跡を完全に分からなくできるとは限りません。

既存の模様や補修方法によって仕上がりは異なるため、施工前にどの程度跡が残る可能性があるか確認しておくことも大切です。

ひび割れを見つけたら記録しておく

すぐに補修が必要か判断できない細いひび割れの場合は、写真を撮って記録しておく方法もあります。

スマートフォンなどで、

  • ひび割れ全体
  • 発生している場所
  • 幅が分かるような近接写真

を残しておくと、数か月後や次回の点検時に比較できます。

以前より長くなった、幅が広がった、新しいひび割れが増えたなどの変化が分かれば、補修時期を判断する材料になります。

まとめ|ヘアークラックは「幅だけ」で判断しない

モルタル外壁に発生するヘアークラックは、一般的に幅0.3mm未満程度の細いひび割れを指します。

表面の塗膜に発生した軽微なひび割れであれば、直ちに大規模な補修が必要とは限りません。

一方で、ひび割れの状態を判断するときは幅だけを見るのではなく、

深さ・長さ・発生場所・本数・進行しているかどうか

まで確認することが重要です。

特に、窓の角から伸びるひび割れ、幅が徐々に広がっているもの、補修しても繰り返し発生するものなどは、一度専門業者に確認してもらうとよいでしょう。

「ヘアークラックだから大丈夫」「0.3mm以上だから危険」と数字だけで決めるのではなく、なぜひび割れが発生しているのかを確認し、状態に合った補修を行うことがモルタル外壁を長く維持するためのポイントです。

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