リシン外壁の塗り替えで失敗しない下地処理と最適な塗料選び!

長年住み慣れた我が家の外壁、リシン特有の風合いが気に入っていても、年月とともに劣化するのは避けられません。
塗り替えを検討する際、特にリシン壁ならではの吸い込みやすさや、下地処理の難しさに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、適切な知識と手順を踏めば、新築時のような美しい仕上がりと、将来にわたる耐久性を両立させることが可能です。
今回は、リシン壁の塗り替えで失敗しないための、下地処理の肝となるポイントから、理想の美観と機能を叶える上塗り塗料の選び方までを、専門的な視点から分かりやすく解説します。

リシン外壁の塗り替えで下地処理に失敗しない方法

吸い込み止めにはシーラーが基本

リシン壁は、その独特の質感ゆえに塗料を吸い込みやすい性質を持っています。
この吸い込みが均一でないと、後から塗る塗料の密着性にばらつきが生じ、塗りムラや早期の剥がれといった深刻な不具合を引き起こす原因となります。
そのため、塗り替え前の下地処理において、まず行うべきは吸い込み止めであり、その役割を担うのがシーラーです。
シーラーは、壁材の表面から浸透して塗膜を形成し、表面の吸い込みを抑えることで、塗料が均一に吸い込まれるように調整します。
特に、リシン壁のように吸い込みが多い素材に対しては、浸透性の高いシーラーを選定することが、塗膜全体の耐久性を確保する上で極めて重要となります。

凹凸補修と密着性向上はフィラー・サーフェーサーで

シーラーで吸い込みを調整した後は、リシン壁特有の凹凸や、表面に発生した微細なひび割れ(ヘアクラック)への対応が求められます。
ここで効果を発揮するのが、フィラーやサーフェーサーといった下塗り材です。
フィラーは、それ自体が比較的厚い塗膜を形成し、壁面の微細な凹凸を埋めて平滑にする効果に優れています。
特に微弾性フィラーは、ある程度の伸縮性を持つため、下地の動きに追随しやすく、ひび割れの発生を抑制する効果も期待できます。
サーフェーサーは、フィラーほど厚膜にはなりませんが、より均一な塗膜を形成し、上塗り塗料との密着性をさらに向上させる役割を果たします。
これらの下塗り材を適切に選択し、厚みを調整しながら塗布することで、外壁表面を均一で強固な下地へと整えることができます。

リシン壁に最適な下塗り材の選び方

リシン壁の塗り替えにおける下塗り材の選定は、壁材の状態を正確に把握することから始まります。
まず、壁を触った際に手に白い粉が付く「チョーキング」の程度を確認し、吸い込みの激しさを判断します。
チョーキングが激しく、壁材の粉化が著しい場合は、浸透性の高いシーラーを複数回塗布するか、吸い込み止め効果と充填効果を兼ね備えた微弾性フィラーの使用を検討すべきです。
一方、表面の凹凸が少なく、ひび割れも軽微な場合は、上塗り塗料の密着性を高めることを主眼に置いたサーフェーサーや、薄塗りのフィラーで十分な場合もあります。
建物の築年数や立地、過去の塗装履歴なども考慮に入れ、専門家と相談しながら、壁の状態に最も適した下塗り材の種類と工程を選択することが、塗り替えの成功に直結します。

リシン外壁の塗り替えで理想の仕上がりと機能を実現するには?

落ち着いた印象なら艶消し塗料を選ぶ

外壁塗装の色選びと同様に、塗料の「艶」も外観の印象を大きく左右する要素です。
リシン壁はその素朴で落ち着いた風合いが魅力の一つですが、この質感を活かしたい場合には、艶消し塗料(マット塗料)を選択するのがおすすめです。
艶消し塗料は光の反射が少なく、上品で深みのある仕上がりとなり、リシン壁の持つ独特のテクスチャーをより際立たせます。
強い光沢がないため、周囲の景観にも馴染みやすく、落ち着いた住宅街の雰囲気に調和しやすいというメリットがあります。
新築当時のような柔らかな印象を保ちたい、あるいはモダンで洗練された雰囲気を演出したい場合にも、艶消し塗料は非常に有効な選択肢となります。

ひび割れ対策には弾性塗料が有効

外壁は、温度変化や建物の構造による微細な動きなど、常に伸縮や応力にさらされています。
特にリシン壁は、経年劣化や地震などの影響でひび割れが発生しやすい傾向があります。
このようなひび割れへの対策として、弾性塗料の採用が有効です。
弾性塗料は、その名の通り高い伸縮性を持っており、下地に発生したヘアクラックなどが塗膜に伝わる際に、塗膜が伸びてひび割れに追随します。
これにより、ひび割れが塗膜を突き破って拡大することを防ぎ、外壁の保護性能を長期間維持することが可能になります。
ただし、弾性塗料は塗膜が厚くなりがちであるため、下地処理を丁寧に行い、適切な乾燥時間を確保することが、その性能を最大限に発揮させるための鍵となります。

美観維持には低汚染塗料がおすすめ

外壁の美観を損なう大きな要因の一つが、外部からの汚れの付着です。
排気ガスや砂埃、藻やカビなどが付着すると、外壁はくすんだり、まだら模様になったりして、せっかくの塗り替えの効果も薄れてしまいます。
これを防ぎ、長期にわたって美しい外観を維持するためには、低汚染塗料が非常に有効です。
低汚染塗料には、汚れが付着しにくい「親水性」を持つものや、雨水によって汚れが自然に洗い流される「セルフクリーニング機能」を持つものがあります。
これらの塗料は、塗膜表面に汚れが付着しても、雨が降ると水が薄く広がり、汚れと塗膜との間に水の膜ができることで、汚れが浮き上がりやすくなり、雨水と共に洗い流されます。
都市部や交通量の多い場所など、汚れやすい環境にある住宅では、美観維持の観点から特に推奨される塗料と言えます。

まとめ

リシン外壁の塗り替えは、適切な下地処理と塗料選びが成功の鍵を握ります。
吸い込み止めにシーラーを、凹凸補修や密着性向上にフィラー・サーフェーサーを適切に使い分けることで、塗料の剥がれやムラといったトラブルを防ぎ、美しい仕上がりへと繋がります。
さらに、艶消し塗料による落ち着いた風合い、弾性塗料によるひび割れへの対応、低汚染塗料による美観維持といった上塗り塗料の機能性を理解し、ご自宅の立地や好みに合わせて選択することで、長期にわたり満足度の高い外壁を保つことができるでしょう。
これらのポイントを押さえ、理想の外壁リフォームを実現してください。

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